狙いは「おうち時間」。在宅時間が増えたところにウケるサービスはこれだ!


2021年2月7日に終了する予定だった緊急事態宣言ですが、いよいよ延長が濃厚になってきました。飲食店をはじめ事業者の皆さんのご苦労を思う気持ちと、これ以上医療従事者の皆さんに負担をかけられないだろうという気持ちとで、複雑な思いです。

私の仕事は、どのような環境であっても中小企業の皆さんが事業を継続するための施策を一緒に考え、伴走することですので、現状の中でするべきことはただ一つ。「コロナ禍でも必要とされているコトやモノはある!」という視点で、新たなビジネスを生み出すお手伝いをすることです。実際のところ、「市場がなくなった」という表現よりも「(ニーズがある)市場が変わった」というのが正しい表現でしょう。昨年4月、コロナが一気に拡大した際にマスクやアルコールが不足して価格が高騰したことは記憶に新しいはず。また、どんなに外出が怖くても「食べずには生きていけない」のですから、何らかの方法で人間は食料を求めます。このように「求め方」や「求めるモノ」が変わっただけなのです。

明らかに市場が増えたのは「おうち時間」に関する市場でしょう。テレワーク人口は明らかにこの1年で増加しています。また、緊急事態宣言下ともなれば、外出への抵抗感から、自宅の中で如何に楽しみながら時間を過ごすか?というニーズが現れます。仕事でも、プライベートでも「おうち時間」が増加することによる市場の変化は確実に表れているのです。

これまで私がご一緒した企業様の事例をいくつか紹介します。

まずは、お子さんとの時間を楽しむための商品です。昨年の春は学校の休校もあり、また遠方への外出が自粛される環境下の中で、ご自宅でお子さんが飽きないような工夫を求められるお母さんたちも多いのではないでしょうか。

そこで昨年秋に発売されたのが「おうちdeクレープ」。名前の通り「ご自宅で簡単にクレープが作れるセット」です。すでに泡立てられて絞るだけのホイップクリームと、焼き上げられたクレープの皮、そしてフルーツソース&チョコソースと、お子さまのおやつやちょっとしたパーティーに最適です。楽天市場の「パティスリーレートリー」にて発売しています。

出典:楽天市場パティスリーLeitry-オンラインストア-https://item.rakuten.co.jp/sucarfood/0001/

製造しているレートリー社は、もともと有名なカフェやファミリーレストランなどに冷凍ケーキやクレープを卸販売している企業。ここでは具体的な店名は申し上げられませんが、皆さんも絶対聞いたこと・行ったことのある有名なカフェです。そんな、おいしさお墨付きの企業さんが始めた「おうち時間」用の新製品が「おうちdeクレープ」なのです。いわば「自宅でホテルの味が味わえる」ということですね。箱もかわいらしいので、お孫さんやお子さんへのプレゼントにも。これからの時期はひなまつりや春休みのおやつにも良いかもしれません。尚、2月末までTwitterキャンペーン中のようです。こちらも要チェックですね!

もう一つは、在宅ワーカーの増加により増えた「あるもの」を処分するサービスです。もともと自宅で作業をしている個人事業主の方にも最適!

在宅ワークをしていて「紙に印刷してチェックしたい」など、どうしても紙媒体を使わなければならないことってないでしょうか?もちろん理想はデータ化されたもののみで、セキュリティを万全に…という環境ですが、100%そうはならないもの。そんなときに「1枚1枚シュレッターをかけたとしても、シュレッター後のゴミを普通ゴミに出すのはちょっと…」「そもそもそんなに大きいシュレッダーは自宅にないし買うのもちょっと…」「機密内容を隠す『ハンコ』もあるけど、これをいちいち押すのは…」と困っている方向けにスタートしたのが在宅ワーカー向け機密文書処理サービス「シュレコ便」です。

出典:機密文書処理サービス『シュレコ便』https://www.surecobin.okutomi.co.jp/

このサービスを始められた奥富興産株式会社は、古紙リサイクルや産業廃棄物中間処理を1924年の創業以来事業の柱としていましたが、近年は2003年から始めた行政や企業向けの機密文書処理事業のニーズの高まりを感じていました。そこで、このコロナ禍において機密文書漏洩リスクの範囲が企業内から自宅に拡大していることに注目。「在宅ワーカー向け」とターゲットを絞った機密文書処理サービス」を新たにスタートされたのです。特に、機密文書処理はだれにでもできる事業ではない(処理にかかる仕組みを一から組み立てようとすると、初期投資がすごいことになる)ですから、今ある資源を最大限に生かしながら販路を拡大できた好事例です。これも、コロナ禍だからこそ生まれたといっても過言ではないでしょう。

このように「自社の既存事業の核」に「コロナ禍だからこそ生まれたニーズ」を掛け合わせることで、新商品を生み出すことは可能です。「『変化した市場』がどこにあるのか?」「その市場で自社はどんなことができるのか?」を考えてみることで、コロナ禍でも新たな第一歩を踏み出すチャンスが見つけられるかもしれません。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

コメントを残す